レスリング女子57キロ級東京オリンピック(五輪)代表の川井梨紗子(25=ジャパンビバレッジ)が27日、女性選手を見下す発言をしたとして出身地である石川県のレスリング協会で会長を務める下池新悟氏を批判した。石川県庁での県スポーツ特別賞の贈呈式後、取材に「『石川県には五輪内定者が2人いる。しかし残念ながら女だ』という発言があったと聞いた。悲しかったし、五輪出場が祝福されていないのかと思った」と述べた。

今月、県内での高校の大会で同氏の発言があったといい、大会には川井の父親もいた。同氏は発言を否定したが、リオデジャネイロ五輪前の県協会の納会で、川井の父に募金箱を持たせ、会場を回らせるなどの行為があったという。

川井は以前から親への嫌がらせなどもあり、耐え切れなかったと主張。「協会を私物化しないでほしい。レスリング強化のための協会であってほしい」とも語った。下池氏は共同通信の取材に「女性だから駄目だとか言うわけない。大会に参加した選手を激励しただけだ」と強調。協会私物化についても否定した。

◆川井梨紗子(かわい・りさこ)1994年(平6)11月21日、石川・津幡町生まれ。小2の時に金沢ジュニアクラブでレスリングを始める。津幡中-愛知・至学館高-至学館大。16年リオデジャネイロ五輪女子63キロ級金メダル。19年6月の全日本選抜選手権57キロ級で伊調馨を破って優勝し、9月の世界選手権も金メダル。妹友香子も62キロ級で世界選手権で銅メダルを獲得し、姉妹で東京五輪出場を決めている。父孝人さんはグレコローマンの元学生2冠で、母初江さんは元世界選手権代表、妹が2人いる。160センチ。