新型コロナウイルス感染拡大で東京オリンピック(五輪)は延期となった。選手が来夏の祭典で獲得を目指す五輪メダル。各競技でどのような歴史が刻まれてきたのか。「日本の初メダル」をひもとく。

96年アトランタ五輪から正式種目となったソフトボール。初の五輪は4位だった。00年シドニー五輪決勝では米国に敗れ、悔しい銀メダルとなった。

予選から準決勝まで8戦全勝で勝ち上がったが、決勝ではそれまで3敗していた米国にあと1歩のところで金メダルをさらわれ、勝負の厳しさを知る大会となった。主砲・宇津木麗華(現日本代表監督)の1発で先制するも、延長8回、1-2でサヨナラ負け。宇津木妙子監督は「今日の敗因は監督にあります。一生後悔すると思います」と選手をねぎらい、5勝を挙げたエース高山は「試合には負けたけど、きずなでは勝った」と語ったようにチーム一丸の戦いぶりに胸を張った。

その後もライバルとの激闘を繰り広げるも、頂点には届かなかった。04年アテネ五輪ではオーストラリアに敗れ、銅メダル。米国の3連覇を許した。引退した宇津木麗華氏はその後指導者となり、上野由岐子を日本のエースに育て上げた。08年北京五輪決勝では、準決勝からの2日間3試合を1人で投げ抜いた「上野の413球」で、ついに米国を破り、金メダルに輝いた。宇津木麗華氏は16年に日本代表監督に就任。12年ぶりに復活する東京五輪で、再び上野とタッグを組み、連覇を狙う。【松熊洋介】