新型コロナウイルス感染拡大で東京オリンピック(五輪)は延期となった。選手が来夏の祭典で獲得を目指す五輪メダル。各競技でどのような歴史が刻まれてきたのか。「日本の初メダル」をひもとく。

◇   ◇   ◇

男子が1932年ロサンゼルス五輪に初出場で銀メダルを獲得した。世界恐慌の影響が残り、欧州各国が遠く離れたロサンゼルスへの選手派遣を見送り。世界最強インド、日本、地元米国の3チームで争った。日本は初戦でインドに1-11の敗戦。続く米国戦は「この試合こそ日本ホッケーチームの浮沈を決するもの」(広瀬藤四郎監督)。敵地の観衆2万人を前に、9-2で勝利を挙げた。日本団体競技の初メダルだった。

代表は13人で主将は慶大出身の浅川増幸が務めた。選手の出身校は早大4人、明大4人、慶大3人、東京商科大(現一橋大)2人。

同年6月30日に横浜港から太洋丸に乗って出発。甲板上でスティックワークの練習を行った。太平洋上の日付変更線を通過した際は「なんだ別にラインが引いてあるわけじゃないのか」と言って皆で大笑いした。

男子は初の銀メダル以降、36年ベルリン7位、60年ローマ14位、64年東京7位、68年メキシコ13位とメダルに届かず。来夏の東京は53年ぶりの五輪となる。

女子は2004年アテネ大会から採用。日本は04年アテネ8位、08年北京10位、12年ロンドン9位、16年リオデジャネイロ10位とすべて1次リーグ敗退。来夏は5大会連続出場となる。