新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京オリンピック(五輪)は延期となった。来夏、あらためて選手たちが目指すメダル。各競技どのような獲得の歴史が刻まれてきたのか。「日本の初メダル」をひもとく。

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結論から言えば、男女ともメダルはない。前回16年のリオデジャネイロ五輪から正式競技になったばかりで、男子は惜しくも4位(女子は1次リーグ敗退の10位)だった。初メダル獲得の夢は、来夏の東京大会に持ち越されている。

スクラムを組むFWは3人、BKは4人で編成される。一方、フィールドの大きさは15人制と同じ縦100メートル、幅70目ートル。7人でカバーするため試合時間は7分ハーフの計14分と短い(15人制は40分ハーフの計80分)。ボールが大きく動くため得点も入りやすいのが特徴だ。

では、リオ大会を振り返る。男女12チームが参加。ラグビーとしては、15人制だった1924年のパリ五輪以来92年ぶりのキックオフだった。その開幕を盛り上げたのは、当時筑波大4年のBK福岡堅樹らを擁した日本男子。1次リーグ初戦でニュージーランドに14-12で勝利。7人制ワールドカップ(W杯)で3度の優勝を誇る世界王者から大金星を挙げた。

BK後藤輝也がオープニングトライを奪うと、15人制の日本代表でも活躍するBKロマノ・レメキ・ラヴァのコンバージョンキックが成功。後半途中には7-12と逆転されたが、FW副島亀里ララボウラティアナラのトライで追いつき、BK坂井克行のコンバージョンキックで逆転した。

その後は準々決勝でフランスも撃破。準決勝で金メダルのフィジー、3位決定戦で南アフリカに連敗したものの、大善戦の4位で終えた。15人制の日本が15年W杯イングランド大会で南アフリカを倒し、自国開催の19年W杯ではアイルランド、スコットランドを下して初の8強に進出した合間に、7人制も歴史的な快進撃を見せていた。

女子代表「サクラセブンズ」は1次リーグ3戦全敗も、9~12位決定戦でケニアに24-0。五輪初勝利をつかんでの10位だった。あれから4年。男女とも、東京大会に向けて海外遠征を重ねてきた。来年7月開幕へ延期となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今は国内合宿も難しいが、初のメダル、上位進出を目標にインゴールを目指す。