卓球女子で日本のエース伊藤美誠(20=スターツ、静岡県磐田市出身)は、新型コロナウイルスの世界的流行による中断後、8カ月ぶりに再開した昨年11月の国際大会で好成績を残した。東京オリンピック(五輪)に向けて、世界トップの中国勢と競える力があることをアピール。大きく揺れた昨年を経て、新たな決意で本番へ向かう。

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-五輪イヤーの今月は、2年ぶりのシングルス優勝を目指して全日本選手権(11日開幕、大阪市)に挑む

伊藤 すごく楽しみ。神様が、優勝せずに五輪があるのが嫌で(1年延期して)、その時間をつくってくれたんじゃないかと私自身は思っている。目の前の1試合1試合に集中していく。優勝して五輪に臨みたい。

-昨年11月の女子W杯は3位、国際卓球連盟ファイナルは4強。両大会とも中国勢以外には負けず、安定して表彰台を狙えるまでに成長した

伊藤 8カ月の間に、サーブはいろいろモーションを変えたり、アレンジしたりしてみた。足の動きも速くなった。中国選手の質の高いボールをしっかり打ち返せるように練習してきて、そこは前よりも良くなった。もっともっと、どんな体勢でも打ち返せるようにしていきたい。

-昨秋の中国遠征中に20歳の誕生日を迎えた

伊藤 中国ではお酒は飲まず、帰国した日にお母さんやコーチと乾杯した。20歳になっても変わらず、私らしく笑っていたい。

-昨年はこれまでにない1年を過ごした

伊藤 練習量が一番多い年だったんじゃないかと思う。いつもだったら数え切れない数の試合をこなしたけど、全く逆で。リフレッシュする時間も、頑張る時間もあった。

-コロナ禍で息抜きはどうしていたか

伊藤 地元の静岡には前より多く帰れたし、お母さんと伊豆にも行った。私は楽しいことがないと頑張れない。楽しみを見つけて1年間やり切った。

◆伊藤美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日、静岡県磐田市生まれ。豊田町卓球スポーツ少年団で腕を磨く。15歳で出場した16年リオ五輪で団体銅メダル。18、19年の全日本選手権で3冠。昨年は、世界ランキングが現行制度となった91年以降で日本勢最高の2位をマークした。身長152センチ。