21年12月の全日本選手権で6位と躍進した渡辺倫果(19=法大)が、4回転ルッツ習得へ挑戦する意向を明かした。

初のインカレはフリーのみで争われ、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒。それでも122・76点で2位に入った。出場が決まっている世界ジュニア選手権(3月、ソフィア)に向けて「転んだけれど、回転は足りている。世界ジュニアで決めることに向けて、いい失敗。(現在のシニアから)ジュニア課題に変えても、全日本並み、全日本を超える演技を目指したい」と意気込んだ。

年の瀬の全日本選手権では確かな自信をつかんだ。

「五輪を見てスケートを始めて『五輪に出たい』というのが夢でした。前まで夢物語。ただ、今回の全日本で6位に入って、少しだけですけれど、視野の片隅に入れられるぐらいになった。もっともっと上を目指していきたい」

そのために今季以降を見据えて取り組むのが4回転ジャンプだ。種類はアクセルを除いて最も基礎点が高いルッツ。他の種類に比べて、回転軸を作ることができる感覚があったという。

「1月1日の夜ぐらいに『いけるかも?』っていう、謎の好奇心が生まれました。3回転ルッツをやるときは空中で開くけれど、2日に開かずに、延長線上でやったら、3回転半ぐらいになった。3日から本格的に締めるようにして、今は3回転半ちょっといったところで、2フット(両足)で降りています。トリプルアクセルを習得できたからこそ、4回転に頭が回るようになってきた。オフシーズンや、ある程度体が動く時は、ほぼ毎日やっていきたいと思っています」

カナダが拠点だった時期は、新型コロナウイルスの渡航制限の影響も大きく受けた。紆余(うよ)曲折を経て、今は強い向上心が芽生えている。

「もちろん、いつかはロシア勢に勝ちたいです。(スケート人生で)遠回りしてきたので、なるべく早く、最短ルートで(4回転を)習得して、世界と戦える選手になりたいです」

2022年も、夢に向けて突っ走る。【松本航】