来夏のパリオリンピック(五輪)予選となるW杯(ワールドカップ)でプールB首位をひた走るバレーボール女子日本代表(世界ランキング8位)は21日、今日22日からの後半3連戦に向けて練習を行った。ここまで4試合平均で11・75人の選手を起用する真鍋政義監督(60)の全員バレーで、開幕から4戦連続ストレート勝ちと好調を維持。6大会連続の五輪出場に向け、ベルギー(同14位)、トルコ(同1位)、ブラジル(同4位)と、運命のカギを握る大一番に臨む。
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4戦連続ストレート勝ちで勢いに乗る日本だが、本当の勝負はここからと言っても過言ではない。真鍋監督は「我々の目標は五輪出場権を獲得すること。ヤマ場は後半3連戦」と言った。運命のカギを握る大一番に向け、この日はウエートトレーニングと軽いボール練習で調整した。
「この4試合はサーブが良かったし、ミドルもかなり進歩した。今まで練習してきたことが出ている」。前半4試合を順調に戦い終え、指揮官は胸を張った。かねて口にしてきた「調子のいい選手をどんどん使う」の言葉通り、16日の初戦ペルー戦での全選手起用を筆頭に、4試合の平均出場選手数は11・75人。調子を見抜き、日替わりでヒロインを誕生させてきた。
17日のアルゼンチン戦はMB宮部がブロック3本を含む13得点でけん引。19日のプエルトリコ戦はOH井上が両軍最多24得点を挙げ、20日のブルガリア戦はMB山田がサービスエース4本を含む9得点と大暴れした。大会個人ランキングでベスト5に入るのはサーブレシーブ以外のレシーブを指すディグ部門のリベロ福留(4位=52本)のみ。突出した選手はいないが、個々が粘り強いつなぎの意識で支える全員バレーで、快進撃を続けている。
22日に対戦するベルギーは、ここ数年で力を伸ばしている難敵。さらに、今年のネーションズリーグを制して同1位に浮上したトルコ(23日)、21年東京五輪と22年世界選手権で銀メダルのブラジル(24日)と上位国が続く。ブラジルは国際大会のベストOH賞の常連、ギマラエス、トルコは21年にキューバから国籍取得したエース、バルガスと絶対的存在がいる。
日本メンバーに気おくれはない。強化合宿では男子を相手に練習。高さやパワーに対応できる守備力向上を図り、自信を深めてきた。守護神の福留は「(スパイクを上げる自信は)ある。ワクワクする」、ブロックを期される宮部は「体感したことはないけど楽しみ」と言いきった。
五輪切符獲得には、B組で上位2カ国に入る必要がある。勝ち点にも左右されるが、残り3試合で2勝1敗がボーダーライン。真鍋監督は「出てきてほしい」とさらなるラッキーガールの出現を希求した。【勝部晃多】
◆今後の日本 プールBで五輪出場権を得る上位2カ国に入る可能性があるのは、1位の日本から4位のベルギーまで4カ国。順位は、(1)勝敗(2)勝ち点(3)セット率(4)ポイント率の順で決定。勝ち点の獲得条件は、【3-0または3-1で勝ち】=3点【3-2で勝ち】=2点【2-3で負け】=1点【1-3または0-3で負け】=0点。
各国の勝敗や勝ち点にも左右されるが、日本は残り3試合で2勝1敗が出場権獲得へのボーダーラインとなる。