[ 2014年2月10日10時56分
紙面から ]<ソチ五輪:スピードスケート>◇8日◇男子5000メートル
父との約束は守れなかった。スピードスケート男子5000メートルのウィリアムソン師円(18=山形中央高)は、8日のレース前、現地応援に来てくれたオーストラリア出身の父ポールさん(44)から「ビリケツでもいいから思い切り滑れ」とゲキを受けた。6分42秒88で最下位の26位。実際は不完全燃焼のビリになってしまった。
スタートから同組の金哲民(韓国)に翻弄(ほんろう)された。普段は相手の後ろにつき、ラストスパートを掛けるのが必勝パターン。だが、極端なスローペースで揺さぶられ、頭の中は大混乱。先に出るべきか、とどまるべきか。中途半端な滑りに陥り「自分らしさの出せないレース。30点」と世界の壁を痛感した。
長距離に取り組んだのは昨春から。急成長は2年前に韓国から山形中央高に招かれた金明碩コーチ(29)のおかげだった。韓流の地獄トレ。ジャンプは20本3セットの60本から、50本×4種類を5セットと計1000回に激増。15キロの砂袋を背負うことも義務づけられた。「拷問だったけど、精神面は強くなった」。
大舞台ではレース経験の浅さがもろに出てしまったが、スピードスケート男子で22年ぶりの高校生代表として足跡を残した。今春から日本電産サンキョーに入社。好きな言葉は「世界一になるための下克上」。ビリからのスタートも悪くはない。【田口潤】
◆ウィリアムソン師円(しえん)1995年(平7)4月28日、北海道浦河町生まれ。浦河第二中-山形中央高。昨年10月の全日本距離別で3000メートル、5000メートルともに優勝し、初のW杯代表入り。五輪選考会は5000メートル優勝で、92年の白幡圭史、糸川敏彦以来の男子高校生五輪代表に。名前は西部劇映画「シェーン」から。家族は両親と兄、姉、妹、祖母。176センチ、67キロ。



