Xゲームが初めて日本で行われる。東京五輪の成功や北京五輪の日本選手の活躍で、アクションスポーツやエクストリームスポーツと呼ばれる新しいスポーツへの日本人の理解は進んだと思う。今度は、米国で生まれ育った「興行」が日本でどう受け入れられるか、そこが楽しみにもなる。

東京五輪のメダリストが大勢出場するが、Xゲームは五輪とは別物だ。予選を兼ねるわけでもないし、この成績が五輪に影響するわけでもない。同じスケートボードで同じ選手が出ていても、競技方法や採点基準も違う。

もちろん、世界的に名が売れたり、新しい技を披露したりすることは、今後の競技成績に無関係ではない。それでも、2年後のパリ五輪には「つながらない」。五輪を頂点に世界選手権、大陸選手権、国内選手権がある他の競技とは違う。

もともとは、95年に米国のケーブルテレビESPNが1コンテンツとして始めた大会。それが全世界でテレビ中継されて人気がでた。選手にとっても、多くの人に注目されて自身の価値を上げる貴重な場になった。

国際オリンピック委員会(IOC)がスケートボードなどを五輪競技に加えた背景には、このXゲームや欧州のFISEなどの活況がある。広島で過去2回行われたFISEと違い、今大会は入場料がかかる。どれだけの観客が入るかは、IOCも注目するだろう。

五輪競技以外にも、スケートボードではバート(ハーフパイプ)、BMXでフラットランド(平らなところで技を競う)が行われる。スノーボードでの五輪種目増加を考えれば、将来的にこれらの種目が五輪に加わってくる可能性もある。

同時に音楽イベントも行われるエクストリームスポーツ独特の「カルチャー」。国や順位を超えて互いをたたえあう考え方など、他の五輪競技とは異なる面を持つスケボーやBMXフリースタイル。それが、競技としてどこまで浸透するか。

今大会は関東ローカルとはいえ地上波テレビでも放送される。3日間の観客数や視聴率にも注目したい。話題性だけで終わるのか、スポーツとして定着するのか、後者であってほしいとは思うのだが。

【荻島弘一】