【オークランド(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)=戸田月菜】インターネット関連大手の楽天が昨季NBA王者ウォリアーズとスポンサー契約を結び、オークランド市内で記者会見した。現地報道では今季から3年6000万ドル(約66億円)で、ユニホームのロゴ契約ではNBA史上最高額。サッカーのスペイン1部バルセロナとの4年2億2000万ユーロ(約286億円)に続く契約で、楽天の三木谷浩史会長兼社長(52)は03年以来となる日本でのNBA公式戦開催をぶち上げた。

 オークランド市内のホテル内にあり、改称された練習場「楽天パフォーマンスセンター」に特設された会見場。三木谷会長は15年のNBA決勝MVPのイグダーラ、グリーンとともにフラッシュを浴びた。昨季王者とのスポンサー契約に「夢を持てるような運営にしていきたい」と語り「近い将来、NBAの試合を日本でやりたい」と真剣に訴えた。03年のスーパーソニックス-クリッパーズ戦を最後に開催されていない日本での公式戦。カリーとトンプソンの2枚看板「スプラッシュ・ブラザーズ」やデュラントらを擁し、5度の優勝を誇るきら星軍団を招く構想を打ち明けた。

 NBAは10月開幕の今季からユニホームのスポンサーを解禁し、3年約66億円で楽天が日本企業では初めて契約した。国際的な知名度の拡大を狙う両者の思惑が合致し、三木谷会長は「サッカーのバルセロナをほうふつとさせるパスや、個を捨ててチームワークを優先させるスタイルが美しいと思った。2年後には新しいアリーナ(チェイス・アリーナ)も出来るし、発展性の高いチームだ」と語った。

 楽天は昨年11月にもバルセロナと4年総額2億2000万ユーロ(約286億円)でスポンサー契約と、大型プロジェクトを立て続けにまとめた。契約先のバルセロナとウォリアーズは以前から選手同士で交流。6月にウォリアーズが2季ぶりに王者に輝いた際にはFWメッシやネイマールらが、祝福の動画を公開。7月にはグリーンがバルセロナの練習場を訪問し、MFデニス・スアレスとユニホーム交換している。今後は世界のトップチーム同士による合同自主トレや交流にも期待が高まる。楽天はプロ野球の楽天、Jリーグ神戸の運営にも携わっており、競技の垣根を越えたコラボも実現するかもしれない。

 ◆ゴールデンステート・ウォリアーズ 1946年、フィラデルフィアで誕生。NBAの前身BAAの初代王者。62年に西海岸のサンフランシスコ、71年に対岸のオークランドに移動し、チーム名をゴールドラッシュに沸いたカリフォルニア州の愛称にした。75年の優勝を最後にNBA決勝から遠ざかり、90年代後半からは低迷。09年にカリーが入団して強化が進み、14-15年シーズンにNBA王者に輝いた。一昨季は73勝でレギュラーシーズンの最多勝記録を更新。昨季は2季ぶり5度目の優勝。本拠地はオラクル・アリーナ。

 ウォリアーズのリック・ウェルツ社長の話「ウォリアーズのブランドを世界に広げていくだけでなく、日本やアジア、欧州のファンとより深くつながるための新たな機会をもたらす」。