19年度シーズン限りでの退任を発表している関西学生アメリカンフットボールの関学大・鳥内秀晃監督(60)が27日、2月から本格スタートした自身最後のシーズンへの意気込みを語った。
鳥内監督は、11日に行われた同部の祝賀会で「来季(19年度シーズン)をもちまして、監督を退こうと決めています」と発表していた。この発表後「学校関係者を含め、いろいろな人から『まだまだやればいいのに』と声かけてもらうこともあった」と惜しむ声が寄せられたという。しかし関学大の未来を思うからこそ「ここで変わらなかったら、これから先の10年、20年がありまへんねん」と説明した。
92年の監督就任以来、関学大歴代最長の28年目を迎える鳥内監督にとって、最も印象に残っているシーズンは05年だという。
「05年まで、甲子園ボウルに4年間出られていない時期があった。当時の学生らにホンマに申し訳ない」。02~05年シーズンまで関学大は4年連続で甲子園ボウル出場を逃している。
「02年に入学してきた学生は1度も甲子園を踏めていない。学生らに勝負できる力はあったのに、勝たせてやることができなかった」
今でも責任を感じている。「うちは負けたら、いろいろ言われるチーム。それを学生に責任背負わせたらアカン。責任は監督が背負うもの」。常勝軍団の関学大ゆえの苦悩もあった。それでも「いろんな声、気にしてたら監督なんかやってられへんわ」と言い、その重圧を感じさせない。
そんな鳥内監督が監督冥利(みょうり)につきると感じるのは「最後のゲームで、苦しいところを乗り越えてやってきて勝利した時の学生の顔を見ること」だという。「その時はホッとする。ちゃんと言うたことやってくれたなって」。すべては学生の笑顔のため。そこに心血を注ぐ。
自身最後のシーズンへの思い入れについては「ない」と即答。「周りがかなり意識しているけど、今まで通り、どうやって勝っていくか考えていくだけ」と冷静に新シーズンへの意気込みを語った。
「今年はレシーバーやランナーなどキーポジションが抜けてしまっている。人材的にはおるが経験積ませていかないと」と危機感も抱く。「春の試合でしっかりと全体の底上げをしていく」。秋シーズンを見据えてチーム作りを行っていく。
新主将のDL寺岡芳樹(3年)も鳥内監督への思いを口にした。「最後は勝ちで監督を送りたいって言ったら『オレのためにやるな』って言われましたけど、やっぱり最後は日本一で鳥内監督を見送りたいです」。さまざまな思いとともに名将の最後のシーズンが幕を開ける。


