フィギュアスケート冬季オリンピック(五輪)男子2連覇の羽生結弦(26=ANA)が22日、日本テレビ系「24時間テレビ44」に出演した。発生から10年が経過した東日本大震災の被災地へ、あの日、自身も練習中に被災したアイスリンク仙台から特別アイスショーを披露。新型コロナウイルス感染症対策のため無観客で、最小限の態勢で、照明演出など過剰な表現は避けて舞い踊った。
「表情や息遣いから思いを感じてほしい」
「震災から10年たったということが、どういう風に言葉にしていったらいいのかちょっと分からない気持ちがあるんですけど。こういう世の中だからこそ、1歩ずつ、前に向けて歩いていけるような気持ちになっていただけたらなと思って滑ります」
「僕にとっては、やっぱり(新型コロナウイルス禍は)あのころ(震災後)の思いと似たようなところはあります。本当に自分が滑っていいのか分からない時期はすごくありましたし」
「被災地も含めて、今、コロナの状況が大変だと思ってますし。少しでも、いろんな方々が僕の演技を見て、前を向くきっかけになればと思います」
そんな思いを込めて、まずは「ホワイト・レジェンド(白鳥の湖)」から滑った。東日本大震災の後、初めて観客の前で滑った楽曲を、最初の金メダルを獲得した14年ソチ五輪のエキシビションで演舞した曲を、この10年の自身と重ね合わせて。「前に進んだり、また思い出してつらくなったりを繰り返してきた道のり」と表現。新たな振り付けも加え、4回転トーループや3回転ループからの3連続ジャンプ、ハイドロブレーディングなどを成功させた。「力強く生きていこう」という思いを込めて。
2曲目は「花になれ」を演じた。12-13年シーズンのエキシビション曲で、震災でアイスリンク仙台が営業休止となった際、代わりの練習拠点として一時期使用していた横浜銀行アイスアリーナで17年8月に舞ったナンバー。これを「コロナ禍で笑顔が少なくなっている世の中へ、ちょっとでも笑ってほしい。そう語りかける気持ちで演技したい」と選んだ。
時折、歌詞を口ずさみながら3回転フリップ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や、イナバウアーからの3回転トーループを流れるように決めた。最後は両手を広げ、自身も笑顔でお辞儀し「ありがとうございました」と画面を通して語りかけた。【木下淳】


