ショートプログラム(SP)3位の三浦璃来(20)、木原龍一(29)組(木下グループ)が、日本勢過去最高の2位に入った。

フリーは3位の127・97点にとどまったが、合計199・55点。木原は「メダルは取れたらいいなと思っていた。ショート(SP)の貯金で何とかなるかなと思っていた」と正直に言った。

「ごめん」-。演技を終えた三浦が、木原に謝った。9歳年上の頼もしい相方に抱き寄せられ、腰をポンポンとたたかれた。2人で合わせるジャンプのミスが続き、スロージャンプでは転倒もあった。三浦は「私自身の弱さが全て出た。メダルはすごくうれしいけれど、悔しさがすごくある。まだまだ自分たちはそこ(メダル)に値しない」と反省ばかりが口をついた。

それでも1年間の躍進は周囲を驚かせた。グランプリ(GP)シリーズで2大会連続の表彰台。北京五輪(オリンピック)では団体銅メダルに貢献し、個人でも日本勢過去最高の7位に入った。疲れもあり「練習からいい練習じゃなかった」(木原)という状態だったが、12年に高橋成美、マービン・トラン組が記録した3位を超えた。「りくりゅう」は日本のペアの価値を上げ、堂々と滑り抜いた。

悔しさは未来への糧になった。木原は「この悔しさを来季につなげたい」と誓い、三浦も「まだまだ自分たちは上にいける。来季さらにさらに上を目指して頑張っていきたい」と言い切った。物語には続きがある。(モンペリエ=松本航)