3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)代表の山本草太(23=愛知・中京大)は82・12点で2位につけた。

「今日は試合なんですけど、この衣装は手袋がないんですけど、もう普通の練習の自分が持っていた、思い切り『Chukyo』と書いているのをつけようと」。

6分間練習のためにリンクサイドに近き、寒さを実感。すぐに控室に戻って手袋をつけ、衣装の中にもシャツを着たという。

「寒さで手先や足先に血が回らなくなる感覚というか。それが体全体が鈍くなって、体が重くなる、俊敏に動かなくなるというのがあるので」。

経験則から対策を施した演技は、冒頭の4回転-3回転のトーループは成功。続く4回転サルコーは片手をつきながら踏ん張った。ただ、後半のトリプルアクセル(3回転半)が抜けて1回転に。

「軌道でちょっとやばいなって。よぎった瞬間に、その通りに体が動いてしまった。そこで最後に絶対に持っていく力強さがほしいな」。

最終滑走。リンクサイドでは、友野一希、佐藤駿、大島光翔、三宅星南ら他の都道府県代表の選手が応援してくれた。

「ファンの方々もそうですけど、チームメートだったり。たくさんの友達も応援してくれましたし、すごく国体ならでは」。

愛知県のリーダーも務めており、「草ちゃん」とみなに慕われている。

世界選手権へ向けて、いまは試合に出ながら調整をしていく段階。

「課題が見つかったのは収穫かな。立たされた立場と置かれた試合と、しっかりこなすことがやるべきことかなと思ってます」。