吉本芸人がネタ動画 「ネイビーズアフロ」高校の教室で語り合った夢、結成秘話を語る

総勢6000人にも及ぶ所属タレント、芸人を抱える吉本興業。日刊スポーツ・プレミアムでは、毎週木曜日を「吉本の日」とし、企画インタビューを掲載。売り出し中の芸人には自己PR動画も同時アップ。時にはネタを入れ「こんだけおもろいで!」とアピールしてもらいます。

おもろいで!吉本芸人

取材=三宅敏

若い才能がひしめきあう吉本興業の中でも、きらり光るのがネイビーズアフロ。ライブには若い女性ファンが駆けつけ、歓声が飛び交う。そんなコンビも結成から10年を過ぎ、年齢も30歳。少しずつ、若手から大人の漫才師へと脱皮を図っている。日々成長を続ける2人に、結成秘話から今後の展望について聞いた。

◆ネイビーズアフロ 2011年(平23)11月11日結成。20年NHK上方漫才コンテスト優勝。21年上方漫才大賞新人賞受賞。

みながわ 92年9月22日、京都市生まれ。身長182センチ。マラソン、サッカーが好き。

はじり 92年7月16日、京都市生まれ。身長169センチ。AKB48らアイドル好き。

ともに京都・堀川高から神戸大。8月22日に単独ライブ「いとをかし2022inなんばグランド花月」を開催する。

昨秋でコンビ結成から丸10年。これまで漫才を軸に活動してきたネイビーズアフロ。8月22日には単独ライブ「いとをかし2022inなんばグランド花月」が開催される。

なんばグランド花月(NGK)といえば、吉本興業の本拠地であり、“笑ビジネス”の最高峰。NGKでの単独公演は過去にも経験しているとはいえ、みながわ(29)はじり(30)にとって大事な勝負どころでしかない。

みながわ マンゲキ(よしもと漫才劇場)では毎月、単独ライブを行っていて、こちらでは新作(漫才、コント)を披露しています。今回のNGKでは、えりすぐりの自信作をそろえます。現在の我々の集大成ですよ。

はじり NGKでは昨年までも、すごい先輩方をお呼びして、大にぎわいでした。今回は昨年以上に盛り上げたいですね。シークレットゲストですので、ぜひ当日を楽しみにしてください。

2人の出会いは高校時代。京都・堀川高校の同級生だった。彼らのクラスは3年間、組替えもなく、ずっと同じ教室で青春の日々を過ごした。

進学率100%の高校で、東大・京大に合格する生徒も少なくなかった。クラブ活動は、みながわがサッカー部でゴールキーパー。はじりはバドミントン部だったが、ウマが合い、教室ではよく話し込んだ。ともにお笑いが好きで、好みのテレビ番組も共通していた。

みながわ テレビ好きなクラスメートが意外と少なかったんです。家ではテレビよりも、しっかり勉強したいタイプが多かったのかもしれません。

はじり 似たもの同士の僕らは、いつもテレビ番組を話題にしゃべってました。

当時は、ネタ番組全盛。「エンタの神様」「爆笑レッドカーペット」「爆笑レッドシアター」が人気で、関西発の「ジャイケルマクソン」「鉄筋ベース」もお笑いファンに支持されていた。

休み時間には前夜に放送されたお笑い番組を振り返りながら、自分たちも将来お笑いの世界でチャレンジしてみたいという夢を語り合った。

はじりは小学校の卒業式で漫才を演じ、人前で注目を集める快感を知った。みながわも、小学生当時から目立ちたがり屋で「いつかは芸人に」とイメージしていた。

高校卒業が近づくにつれ、一緒に勉強する時間が増えた。センター試験を経て、やがて2人はそろって神戸大に進学。学部は別だったが、みながわが言い出しっぺとなり、コンビとしてお笑いのオーディションを受けるようになった。大学生ながら舞台に立ち、修行を積む日々。プロではないので収入にはつながらないが、気持ちは明るかった。

みながわ 僕は一度始めたら、最後までとことんやり通すタイプ。親からは「勉強しなさい」と言われたこともなかった。逆に「好きなことができたなら、その道を進みなさい。ただし、自分で責任を取ることを忘れずに」と言われてました。大学時代は、はじり君とネタ合わせし、オーディションを受ける、気がつけばそれが生活の中心になってました。

神戸大工学部で建築を専攻していたはじりだが、いつの間にか大学は中退。

はじり みながわに人生を狂わされ、もう11年になりました(笑い)。小さい頃から頭の片隅に「芸人になれたらなあ」とは何となくありましたが、いつの間にか、こんな風になってましたね。

ネイビーズアフロのみながわ(左)とはじり ※撮影時のみマスクを外しています※(撮影・前田充)

ネイビーズアフロのみながわ(左)とはじり ※撮影時のみマスクを外しています※(撮影・前田充)

ネイビーズアフロは2人で成り立っているが、絵を描き、先導するのはいつもみながわ。はじりを中退させたのは自分だと理解している。

みながわ コンビなので「リーダーはどちらですか?」と質問されることがあります。リーダーには相方から信頼され、逆に相方のすべてを配慮するだけの度量が必要だと思うんです。その意味で、僕はリーダーではありません。オートバイで目いっぱい飛ばすのが僕の役割、はじりがサイドカー。そんな感じでしょうか。サボることなく、はじり君を全力で振り回しています。

はじり 確かに気がついたら、僕はみながわの横で走っていました。自分のエンジンでしっかり走っているつもりでしたが、言われてみれば確かにサイドカーですね。自分のことながら、言い得て妙です。みながわには大型のエンジンでぐいぐい引っ張られています。間はガチガチに固定されているので、空中分解してしまう心配はないと思いますが。

アイデアと実行力にあふれる男と、誰からも愛される笑顔でついていく男。182センチのモデル体形VS169センチの中肉中背。対照的なようで、同級生として出会った高校時代の良い関係が今も続いている。サイドカーとそれを引っ張る大型オートバイも、ギャラは2等分だという。

すでにNHK上方漫才コンテスト優勝、上方漫才大賞新人賞と、若手コンビとしては実力・実績とも十分。今後の課題としては「もっと、もっとネイビーズアフロを広く知っていただきたい」と語る。

みながわ ツイッターには積極的に書き込んでいます。TikTokは特に高校生ぐらいの世代に注目されているようです。たくさんの方に見ていただいているのはありがたいんですが、僕が漫才師だと知らない人も多いんですよ。もっとネイビーズアフロの認知度を上げ、劇場にも足を運んでもらいたいです。

そのためにも、単に「おもろいやつ」と見られるだけでなく、人間的にも認められるコンビに成長していきたいという。日々の劇場出演、ラジオ、テレビ、SNS‥。

そのすべてが認知度アップにつながり、自らの血となり肉となることを知っている。今はそのために、全力で腕を磨いているところ。来たるべきチャンスで、そのパワーを発揮するために。

ネイビーズアフロのみながわ(左)とはじり ※撮影時のみマスクを外しています※(撮影・前田充)

ネイビーズアフロのみながわ(左)とはじり ※撮影時のみマスクを外しています※(撮影・前田充)

今年4月に開催された吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」。ダウンタウンがNGKで、31年ぶりとなる漫才を演じたことで話題となった。

みながわ あの日、浜田さんが松本さんに1発蹴りを入れた瞬間、大受けでした。あの笑いこそ、ダウンタウンさんが長い間に積み重ねてきたものの結果だと思うんです。誰もが知る2人のキャラクターがあって、互いの関係性があってこそなんです。

まだまだ伸び盛りの2人だが、10年後にはNGKの舞台で漫才していたいと同じ望みを持つ。

みながわ おかげさまで、さまざまな仕事をさせてもらっています。ラジオで自由にしゃべらせてもらったり、テレビ番組のロケでは普通ならなかなか行けない場所を経験させてもらったり。これらはすべて漫才から始まったものです。だから、漫才は一生続ける覚悟です。テレビの仕事もめちゃやって、劇場にもめちゃ出ている姿が僕の理想です。

はじり 小さい頃からテレビで漫才を見て「かっこええなあ」と、ぼんやりあこがれていました。今後どんな仕事をするにしても、最終的には漫才に行き着くつもりです。

今年で、ともに30歳の節目。高校の教室で語り合った夢に一歩一歩近づくため、切磋琢磨(せっさたくま)の毎日を過ごしている。